個性派軍団 | コーチの部屋.COM

個性派軍団

     男子    男子

 いつも困らせてばかり・・・そんな彼らが私は大好きである。個性的がいくつも集まれば、領域は宇宙クラス?に達するような気がしてならない。それだけ、二期生の6年生の男子は個性的な子どもたちが集まったのである。「個性派男子軍団」まさにそんなネーミングがぴったりの子どもたちであった。

 そんな個性的な彼ら、キャプテン佳孝を筆頭に、お調子者のエース宗一郎、痛がり佑太に、超マイペースカズ。泣き虫ヒデに、はにかみ笑顔のりょっけとヨコリョウ。5年生の淳やレオのほうが、しっかりしているのではないかと思うぐらいどれも1度で話を聞いたためしがない面子である。

チームと言えばキャプテンが居て、エースが居て、まとめ役が居てと、上手くバランスの取れているものなのだが、うちの男子チームは必ずしもそうではない。何もかもが両極端。やるときはとにかくみんなで思いきりやる。やらないときはみんなでサボる。そして、何よりサボるウエイトがことのほか大きく締めていると言う問題児軍団・・・

去年彼らに初めて会ったとき、「さて・・・」の次に言葉がないほど悩やまされた私が居た。去年よりいる佳孝、佑太、秀憲はまだどんな形であれ、どうにかなると思うが、他の子は本当に大丈夫なのだろうか。これが最初の印象であった。

話は聞かない。勝手に突き進む。怒られても辞めないetc.問題を挙げればきりがないそんな始まりであった。集合のときは早く終われと言わんばかりに、顔ににじみ出るし、注意をしても、3秒後には、同じ事で怒られることもしょっちゅうである。間の悪く怒られる佑太から始まり、何度私に頭を叩かれたであろうか佳孝や宗一郎。しかし、彼らと長く戦っているうちに、チームと言うものが見えたとき、そしてさらに2人の笑顔が入ったとき、彼らはなんてバスケットに対して、純粋で、素直で、真面目で、良い子達なんだろうと何度も感じた。そして、そんな個性派軍団は試合中の顔つき、真剣に取り組む練習の際の集中力は、去年を上回るものであったと感じる。

夏。ものすごい勢いで怒られ、冬。ものすごい勢いが増して怒られ。卒業みんなで思い切り笑わしてくれた。そんな彼らのさらに素晴らしいところは、チームが本当に仲のいいというところではないだろうか。そして、今自分がやらなければいけないこと(これはプレーにおいて)を本当によく理解し、何度も素晴らしい試合を私に見せてくれた。

最も印象に残っているのは、鎌倉ジュニアブレイカーズとの一戦。最後まで諦めず、必死でボールを追いかけ、一人ひとりが、みんなのために、チームのために100%の力を振り絞りプレーしていた姿。本当に成長したと感じた試合であった。しかし、この試合に結果はついて来なかった。それは全て私の責任であり、彼らは本当に最高のプレーを見せてくれたことは、その場にいた誰もが感じたことであろう。しかし、そんな私の気持ちを知ってかしらずか、チームというカタチが本当にはっきりと見えた試合であったことは間違いない。

個性的であり、なおかつ純粋無垢のくせに、何をしでかすか分からない。「さすが」としか言うことのできないそんな不思議な彼らだが、そこに居る誰もが吸い込まれそうになるほどに大きな魅力を持っている。それは、雨のそらのあとにひときわ輝く虹のように。そうきっと、彼らのチームカラーは虹色なのではないだろうか。これという決まりがないが、どれがかけてもダメな虹。彼らはまさにチーム一丸となり誇らしく、悠々と空を架ける虹なのではないだろうか。リトルダンクというチームに、七色の虹が綺麗に架かる。それはチームと言うものを本当によく理解していた彼らにしかできないものであったのかもしれない。TEAMという単語にはIというイニシャルはない。そうまさしく「自分」という言葉を出し過ぎてしまえば、団体競技である以上、チームとして勝つことはできないからである。みんなが同じ気持ちで、みんなが同じ目標で、歩む姿が私は本当に誇らしかった。私も含めて共に成長してくれた彼ら。これからも、逞しく、あどけなく、いつまでも自分の好きなことには純粋で、素直に、誇り高く、温かい心を持ち続けることを願う。彼らがずっと私の誇りであるから。                                         

                                      男子